2005年 直島特別例会
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◆安藤 英洋(岡山政経塾 四期生)
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直島例会を終えて
●直島という場所
直島は非日常空間の塊でした。観るもの、聴くもの、感じるもの全てが大きく私自身を包み込んでくれました。この非日常をどれだけ自分の実体験として、日常の中に落としこめるか、どれだけ日常と非日常のギャップを埋めることができるのか。今後の課題として捉えていきたいです。
●直島とアート
直島を体感して思ったのは「ああ、直島が作品なんだ」と。海を渡るという行為は、直島の非日常を際立たせるには格好の導入部分です。プロローグを経て直島という作品が始まりました。私はこれまで現代アートへの関心が薄かったのですが、学芸員の方の説明を受け、アーティストの作品に対する姿勢・社会に対するメッセージ性の強さに驚くとともに現代アートの魅力を強く感じました。地中美術館に関しても、正に「体感する」という表現がぴったりで、言葉ではうまく言い表せないパワーをもらいました。
「家プロジェクト」も、あるものを生かし、無いものを創るという理念が実践されており、文化と現代アートが計算された関数のように、美しい曲線を描いているようでした。
● 特別講義
石井県議より豊島産業廃棄物問題についてのご講演をいただき、豊島問題の深刻さと全国の不法投棄問題の再認識をするとともに、行政の在り方、矛盾点など多くの問題を感じました。全く無駄な金儲けに、多くの犠牲と国費が投入されたかと思うとやりきれない気持ちになりました。
福武幹事からは、自分のよりどころとなる意識の確立、主体性を持って生きることの大切さなど、真実の追究の先に見えるものの重さを学びました。普段なかなか聞くことのできない貴重なお話を伺えましたし、大変勉強になりました。私自分自身の軸を見定めようと思います。
加藤代議士からは、いま旬な靖国問題に対する実体験も踏まえたお話を聞くことができました。なかなか自分自身と近い問題として捉えにくかった靖国問題が少しは近くに感じられました。肉親に戦争体験を持つ人のお話はリアリティを持って胸に飛び込んできました。日中だけでなく、米も含めた問題を考えないといけないという根の深さも同時に痛感しました。
村尾先生からのご講義は特に大変な情熱をお話の中から感じました。一人の人間が政治に目覚めるまで、そして三重県だけでなく、各県で起こっているはずの問題について、多くの矛盾と憤りを覚えました。そのことについて国民がどれだけ真剣に向き合っているかで日本の未来が決まるのだろうと思います。
● 豊島視察
現実を突きつけられました。本来全く必要のない多くの犠牲を払って、世紀のプロジェクトが延々と続いていました。処理場の異臭は今でも思い出せます。強烈な体験でした。前日の石井県議のお話を聞いて現場へ行くことができたおかげで、豊島問題をより強く感じることができ、大変よかったです。
この2日間は私の短い人生の中でも、濃度のとびきり濃い2日間でした。この2日間を超える濃い日々が少しでも多く送れるよう、日々研鑽してまいります。
この機会を与えてくださった岡山政経塾の皆さん、そして講師の皆さん、松下政経塾の方々、直島の皆さん。
ありがとうございました。
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