2006年 直島特別例会

 
◆源 真典 (岡山政経塾 五期生)

「直島例会レポート」


○ はじめに
 岡山政経塾3大イベントの一つ、直島合宿。例会担当という事で、自分の事よりも参加された皆様に「この合宿が、有意義であった」と思われる例会にしたいという気持ちで臨みました。
 しかし、直島ワールドの前では自分の感性がくすぐられ、気の届かない所もありましたが、同じく担当の三宅さん、前ちゃんとの三人での連携で、とても実りのある合宿になったと思います。また、お二人には本当に感謝しています。
 
○ 直島アートサイト
 例会の前に例会担当の3人と小山事務局長とで下見に行ったのが、私の直島初上陸となりました。
 その日は雲一つない見事な青空と、地平線まで見える瀬戸内海と、安藤忠雄氏が造る独創的な建造物が私達を大きく向かえてくれました。この素晴らしい環境に包まれ、「自分はなんて小さいんだ!」と感じ、これからの自分の進む方向を、改めて考えさせられた時間でした。
 と言って、具体的なビジョンがすぐに出てくるほどの自分ではない。「未熟さを恥じる自分」と「未熟さ故に、未熟だからこそ、新しい自分創造に挑戦しよう」と胸が高鳴る二人の私がそこにいました。
 合宿当日、初めての地中美術館。こんなアートを見たことは当然なく、特に「ウォルター・デ・マリア」は入った瞬間から鳥肌が立つほどの空間。自然と融合させたアート達、「作り手は世の中の矛盾を作品に込めている。それは矛盾だらけの東京では光り輝かない。田舎の自然にこそ光る」。といった福武幹事のお言葉。私にはまだその矛盾が分からなかったが、私の心には、心地よく響き、理解できた。
講演では、色々な言葉を学ばせていただきました。
☆ 人生も経営もメッセージを持たなければいけない。
☆ 物事の本質を見極める力、見る目を養え。
☆ 地域づくり。時代の流れを取り込む。街を元気にするのは田舎しかない。
☆ 地方にいることを誇りに思え。
等、こんな素晴らしい言葉を今まで誰が教えてくれただろうか?少なくとも28年間の人生では誰も教えてはくれなかった。いや、メッセージを発信してくれた人はいたのかもしれないが、そのメッセージを受け止めることが出来ない未熟者であったことは間違いない。心の持ち方ひとつで、多くの学びのチャンスを逃がしていたのではないだろうか?人は心構え一つで変われる事を深く感じ、これからも意識を高く持ち、学び続けたいと決意した。
 同時に、多くの学びに対する感謝の気持ちをどのように表現したらよいのかと悩みました。私の結論は、岡山政経塾での学びをこれから仕事や家庭、岡山の未来のために生かして行こう、と思うに至りました。さらに、私が歳を取った時には、人生の諸先輩から頂いた多くの教訓に満ちた言葉の数々を次の世代の若者達に伝えることによって、恩返しをしたいと決意しました。

○ 豊島見学・産業廃棄物不法投棄事件   環境分科会
 石井 亨県議の講演を聞いて初めて豊島の実態を知りました。豊島の人口は1000人そこそこ、過疎化が進み高齢者が増えている。島全体で言えば、5人に一人が助けを必要とし、助けがないと過ごせない人がいる。島に医者がいないという現状。
 そういった話しをふまえての産業廃棄物不法投棄事件の全容を聞いての豊島見学。案内をしてくれた安岐氏はこの長い30年間を一つ一つ丁寧に、悔しさと、希望をおりまぜ、時には目に涙を溜めながら、熱く教えて下さいました。豊島の人々の一生を犠牲にした長い苦労と、行政の在り方、実際に自分の目で見た産廃現場は、私の心に一生残ると共に、全ては「人」なのだと脳裏に焼き付けました。また政治の責任の重大さに怒りを覚えました。
 私は、迷い無く環境分科会を選択しました。環境分科会では、この核となる経験を生かし、全員で議論を重ね、論文を書きたいと思います。そして、環境問題を通じて、人間のあり方・生き方を提案していきたいと思っています。
 
○ 最後に
直島、豊島例会に関わった全ての人に感謝致します。
私は岡山政経塾に入っていなかったら、ここまで意識を高く持てる事はなかったでしょう。
「直島アート」、そして我が国最大規模の「豊島産業廃棄物不法投棄事件」も名前を聞くぐらいでしかなかったでしょう。気づきを与えて頂き、本当にありがとうございます。
岡山政経塾  万歳!