2006年 直島特別例会

 
◆三宅 雅 (岡山政経塾 五期生)

直島合宿レポート

<誰がどう言おうと、絶対に瀬戸内海は美しい。>



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直島例会で、ひとつ結論を言うならば、それだけです。
ベネッセハウスの眼前に広がる瀬戸内海。
二日目、豊島の産廃中間処理施設の窓から見た瀬戸内海。
家浦港から宇野港へ向かう間、時々刻々動く大パノラマ、瀬戸内海。

地中美術館やベネッセハウスの現代アートも、それに比べれば一つの引き立て役に過ぎないのかも知れません。


福武幹事の講演で紹介されたように、100数十年も前の欧米人たちは瀬戸内海の美しさに感嘆の声を上げていました。ドイツ人・リヒトホーフェンの「・・・この地域に、すでに天国が出来上がっているのだ。」という表現はどうでしょうか。

日本人的感覚からは、やや気恥ずかしい表現ながら、誰もが静かに頷いているのではないでしょうか。


石井亨議員や豊島の安岐正三氏が、30年以上も闘い続けてきたのは何のためか。その美しい瀬戸内海に浮かぶ、美しい島を取り戻したい。ただ、それだけなのではないでしょうか。

安岐氏の情熱溢れる話を聞いていて、「あの戦争になぜ負けたのか」(半藤一利、他:文春新書)の一節を思い出しました。元学徒兵へのインタビューです。

  ・・・「日本は一度、こういう無理な戦争をくぐり抜けなければ
  仕方ない運命なんだ。それを私たちの世代が引き受けているんだ」
  と。次の世代にこんな戦争をして欲しくないから、自分達がやる
  しかないと・・・

これは、「戦艦大和ノ最後」(吉田満)の一節

  ・・・
  今日目覚めずしていつ救われるか
  俺達はその先導になるのだ
  日本の新生にさきがけて散る
  まさに本望じゃないか

に通じるものがあると思います。本当に大切なものを守りたいと思うときに我々の先人は、非常な決意の下、勇気ある、そして時に悲しい決断・実行を重ねてきたのです。

松浦何某のような産廃業者の私利私欲や地方行政の無責任体質、それらを助長した国家行政の怠慢が、かつて国の命運を担う軍部指導層に蔓延したとき、想像を超える悲劇を招きました。


だから守りたい。
瀬戸内海を、世界の人に胸を張って紹介したい。

そのために我々は何をすべきか、何が出来るか。
三宅は、環境分科会でその目的に向かいます。


最後になりましたが、直島例会という得難い機会を提供して頂いた、福武幹事並びに小山事務局長、その他の塾関係の皆様、そして熱く語り合った塾生の皆様、さらに遠路はるばる起こし頂いた松下政経塾関係の皆様に心からお礼を述べたいと思います。また、到らぬ例会担当にて失礼致しました。