2006年 直島特別例会

 
◆村上 俊樹 (岡山政経塾 五期生)

直島例会レポート



1.瀬戸内海の風景・直島の風景・美術作品等を見て感じたこと
   瀬戸内の海は非常に美しかった。歌に詠まれるほどその風景が美しいことは、古くから知られていたことではあるが。直島の島内は非常に時間の流れがゆっくりしている。俗世間の喧騒からは遠く離れゆっくり物事を考えるには最高の場である。そしてこの場で現代アートをゆっくりと鑑賞することにより、またさらに感じることや考えることが洗練されていくようなそんな感覚に見舞われた。

2.福武幹事・石井県議のお話を伺って感じたこと
   お二人のお話の中には、今後私が生きていく上で非常に有用でかつ心に残るものが多々あった。以下では私が感じたことを述べていきたいと思う。
 一つ物事は人任せでは何も変わらない。何かを変えたいと思うならば自分が率先して動くこと。そして明確なビジョンを持ち他人と共有しなければならない。なぜならば他人は人の考えていることなど言葉なしに理解することはできないのだから。
 一つ物事を多角的に捉えることのできる人間にならなければならない。なぜならば常に物事の本質を捉えるためには、多角的な物の見方が必要であるから。但し多元軸に惑わされ、自分の立つ位置を見失うようなことはあってはならない。常に自分の位置は、正確に把握しておかなければならない。
 一つ自分の専門分野は徹底的に勉強しなければならない。他の誰よりも専門分野については物事を知っておかなければならない。他の誰よりも知っていなければ、自分の生活が成立しないあるいは自己の存在意義が失われてしまうといった段階まで危機感を持って勉強しなければ大事は成し得ない。
 一つ物事の善悪、美しさ、正誤等々を判断できる人間であれ。

3.豊島にて感じたこと
   まず初めて上陸して感じたことは静かな島だなということである。そして次にふと頭をかすめたのは、この島のどこにあの公害問題を解決するだけのパワーがあったのだろうという疑問だった。しかし、私の疑問は安岐正三氏にお会いして、お話を伺っているうちに次第に解消していった。産業廃棄物不法投棄事件にずっと関わっておられ、そして誰よりも現場に通っておられる方が発する言葉には非常に心を打たれた。久々に自分の心を衝く言葉に出会ったように思う。安岐氏の言葉を聞いているうちに、この問題を引き起こした人間の自己中心的な考え方そして周囲の人間の自分勝手さに強い憤りを覚えた。
   豊島で見聞きしたことを通じて学んだことは、人を動かすのは美しい理論や強権的な権力だけではなく、気持ちのこもった言葉もその一つである。気持ちのこもった言葉を発するためには言葉の背景にあるものをよく理解し、愛さなければならないということだった。

4.最後に
   直島での2日間はとても示唆に富んだもので、とてもためになるもだった。このような場を与えて下さった方々に心よりお礼を申し上げたいと思う。本当にありがとうございました。

以上



                           平成18年7月24日