2007年 直島特別例会

 
◆江草 聡美(岡山政経塾 六期生)
直島合宿レポート
  「瀬戸内海に思う 〜光と影〜」


<いざ夢の島へ!> 
 「3億円宝くじ当たったら瀬戸内海に島を買いたい!素っ裸で走り回れる私だけの島を!!」
岡山に在住して20年、ずっといい続けてきた私の夢。もちろん島どころか、ただ一粒の砂を買う幸運にも恵まれてはいないが、今回初めて「直島に行く」ことは、その夢が叶うような気がしていて、ずいぶん前からバカンス気分で浮かれていた。
 ところが、フェリーに乗って最初に見えてきた直島の光景は、山肌に緑がなく、荒廃した精錬所・・これはもしかして負の遺産?
 「わくわく」が「ざわざわ」に変わった瞬間だった。浮かれ気分は禁物、気をひきしめよう・・

<ステキ発見!>
 家プロジェクトやベネッセハウスで目にした芸術作品からは、圧倒的な力強さと壮大な奥行きを感じた。幸運なことに説明をしていただいたおかげで、それらの作品が発するメッセージも受け止めることができた。
「目に見えるものがすべてでなはいこと」「人の価値観は自然の中では通用しないこと」「自然を破壊しているのは他ならぬ人間であること」
 地中美術館では愛しのモネにも会えた。ジェームズ・タレルの青の光の中に入っていく部屋は最高にステキで刺激的だった。
 
 午後からの福武幹事と北川氏のご講演を通して、なぜ直島なのか、なぜ越後妻有なのかを考えた。片や大正時代から亜硫酸ガスに悩まされ、いまだ緑戻らぬ山を持つ島。
片や豪雪と過疎で高齢化が進み、行政からも見放されつつある200の集落。
国(政治)を動かすためには「国民的総意」が必要だとしたら、この二つは個人の「思い」でやり遂げた。個々の「志」が集結して、マイナスをプラスに変えていった。
    北川氏の言葉 「ステキ発見事業」    ノートに大きく書きとめた。

<豊島へ・・・>
 残念ながら北川氏の講演後、後ろ髪を引かれる思いで帰途についた私は改めてフェリーの中から精錬所を直視した。美しい瀬戸内海・・・しか見ていなかった自分が恥ずかしい。
 このレポートも豊島に行かなければ完結しないのだろう。二島はきっと運命共同体なのだ。そして、サマージャンボ3億円は別の使い道を考えよう。もう裸で走り回る年齢は過ぎたのだから・・・
 3名の幹事の皆様、小山事務局長、ご尽力いただきありがとうございました。