2007年 直島特別例会
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◆沖津 真菜(岡山政経塾 六期生)
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直島合宿レポート
捨てればゴミ、活かせば宝
1、二度目の直島での発見
初めて直島を訪れたのは、大学受験も終わった春休みのこと。お恥ずかしながら、てっきり岡山だと思っての渡島。すごいと評判の美術館を目当てに、ものすごい潮風にあおられながら島を歩いた。
「すごいー!!でも、よおわからん」というのが、その時の感想。でも、何かを掴もうと一生懸命に頭を働かせていたのは覚えている。
今回はただあるがままをぼーっと見ていただけなのに、地中美術館で驚きがあった。“空間美”というのだろうか?二年前の私が気付かなかった美しさがそこにはあった。
モネの作品のためだけに貼られた床のタイル。モネの作品のためだけにあけられた壁。モネの作品のためだけにとられた明かり。
感じる心は、日々変化しているんだと気付く。良くも悪くも、この瞬間の自分はずっと居るわけではないんだと、ちょっとしんみりした。
2、家プロジェクトとご講演
処理法を別として考えるなら、捨てるのも壊すのもとても簡単なことだと思う。でも、古い民家を爆発させた残骸に愛着を感じる人がどれくらいいるだろうか?“古いし使わないから捨てればいい”という発想を転換してみる。“古いし使わないから、もったいない精神を働かせてみよう”と。あるものから無いものを作り出すとは、なんて素晴らしい事なんだろうと思う。そしてそれが、地元民をイキイキさせたり、経済の発展につながるとは!
活動する集団が小さくても、小さな集団が沢山集まれば、大きな魅せ場になることは言うまでもないだろう。
3、初めての豊島
前日聞いた経緯を胸に、問題とされる豊島の地を踏む。きちんと整備され撤去活動が進んでいると知りつつも、「ここで呼吸して大丈夫なんだろうか?」と思ってしまった。でも、事件当時の島外の人の考えも、こんな感じだったのではないかと思う。島で作った作物や、島付近で獲れた海産物。人体への被害だけでなく、産物への被害も大きかったそうだ。産廃での被害は、島の面積の1%に過ぎないのに、島民が受けたダメージはそれ以上だと思う。
4、人を説得すること
ご講演の中で、改めて感じたことが「人を説得することの難しさ」だ。強い権力がただ横暴にしゃべればいいというわけでもなく、社会的に弱い人が徒党を組んで人数勝負でやればいいわけでもない。
これから先、多くの人と接していく中で、自分の発言に常に誠実であれるよう、事実を踏まえた上で、常に語る相手の目線を忘れずいたいものだ。
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