2007年 直島特別例会

 
◆加藤 葉子(岡山政経塾 六期生)
直島合宿レポート
   直島合宿に参加して



 瀬戸内海沿いずっと育ってきて、瀬戸内海にはすっかり慣れてきたと思っていましたが、島とういう方向から見ていくと、また違ったものが見えてくるものです。
 直島には島の日常と現代美術の作品である建物が一緒に並んでいました。美術館や現代的建造物で活性化を図りたいという地域は全国に多くあり、そうした取り組みはさまざまなところにありますが、多くは地域の負担になっています。
 こうした芸術を根気強い説得がまずは重要になりますが、そうした根気強い説得によって住民が関心を持ち、参加し、自分のこととして考えるようになって、その地域のもつ力やその地域固有の価値といったものを発揮できると思いました。
 福武幹事の講演で言われた発想の転換。とはいえ、地方の、しかも島にあまりに現代的なアートが結びつけることに驚きました。直島も妻有も今までだと考えつかない組み合わせに驚きました。
 また、島と世界各地の水平線がつながっている作品などから瀬戸内海は四方を国内に囲まれた海ですが、世界につながっていることを改めて感じました。そして講演では自分たちのいる地域を変えていくことの重要性を伺いました。地方から発信するものは世界に伝えることが十分できる、現代美術に限ったことではありませんが、小さな地域をこれまでのことにとらわれず、ひとつずつ変えていくことで全体を変えることができる、と感じました。
 直島での石井元県議の講演から多少は予備知識を持って豊島に向かいました。豊島は2度目の訪問になりますが、やはり豊島の現場や資料館で知る現実には言葉を失ってしまい、また、島民の方々の運動には強さを感じました。「産廃のことは悔しいけど、それより支援してくれる人々に対して感謝の気持ち」という前議長の言葉が印象に残りました。
 瀬戸内海のよさの1つに多島美が言われています。その自然のよさを生かそうとしたものは多くありますが、地方のなかでも課題の多い地域ともいえます。離島は地域のもつ課題の中でも難しいものの1つに挙げられます。そのような瀬戸内の島から文化やメッセージを発信し、行政などが勝手に作っていくのではなく、住民が参加していくことで文化をつくりあげていっています。豊かな大都市がその経済力でまちを大きくし、文化支えているのでなく、文化がまちや経済を支えることができるということを知りました。