2007年 直島特別例会

 
◆栗山 康彦(岡山政経塾 六期生)
直島合宿レポート
   『現代アートの魔力を思い知る』


直島…今までの自分の頭の中での位置づけは『瀬戸内海に浮かぶ一つの島』であった。
しかし、初めて直島に足を踏み入れ、実際に現代アートの魔力を見せ付けられた時、正直言って嫉妬した。

それは、なぜか?
今どの自治体も、町おこしの為にいろいろな施策を講じている。町おこしの為には、人の動き・経済・文化・福祉その他精神的な安らぎ・安全・安心なども必要だ。
しかし、解決策が見つからず、もがき苦しんでいるのが現状だ。

こうした現状の中、直島は独立国家のごとく『現代アート』という武器を手に、見事にこの問題解決に取り組みその成果が第3者である私の目にも見えてきている。しかも、官の力をあまり借りることなく、この偉業を成し遂げていたのである。
とにかく直島がうらやましい。

そして、この仕掛け人「福武氏」は、まさに『化け物』。
いろいろなご苦労はあったと思うが、よそ者を受け付けない地域性も、綿密に配慮し、完全に直島の風土に溶け込み、今や島民の皆さんの期待も背負っているように感じた。この地がどこまで羽ばたき続けるのか?とても楽しみである。

私は、持論として「文化イコール箱ものではない。夕張市のように箱ものが負の財産になるなら自治体は関与すべきではない」と思っている。
しかし、直島の場合は、税金も使わず、島民に潤いと豊かさを与え、文化を外に発信している。まさに一石三鳥、いや一石四鳥かもしれない。
更に、この武器を元に海外へも発信しようとしている事には、二重に驚かされた。

地域活性化にこうしたやり方もあるのか?
自治体は、どうすればうまく民間の力を借りれるか?
つくづく考えさせられた直島合宿であると同時に、街づくり・町おこしの為に自分自身、もう少し違った観点から物事を見なければと反省した2日間でもあった。