2007年 直島特別例会
|
|
◆西美 篤(岡山政経塾 六期生)
|
直島合宿レポート
「〜目からうろこ〜の2日間」
その部屋に足を踏み入れ、不思議な感覚を覚えながら数歩歩き、右に曲がった瞬間。衝撃が走り、僕は動けなくなってしまいました。
「すごい!」そうつぶやいた後は他に言葉もなく、数分間ただ一点を見つめながら立ち尽くしていました。
直島−地中美術館−クロード・モネ室。今まで見てきた美術館とは明らかに違うコンセプトで作られた美術館。自分が常識と思っていたことが否定された2日間の始まりでした。
○アート
直島で見て、体感した現代アートの数々。
あると思ったところにない光のスクリーン。あるはずのない床にある水。あるはずのところにない壁と、ないはずのところにある空間。既存概念では捉えきれない新しい発想の具現化。
光と空間の斬新かつ大胆、しかしながら緻密に計算された使い方。贅沢という表現が相応しいのでしょうか?
○地域づくり
福武幹事と北川氏。目指すところは同じお2人から異なった切り口で、貴重なお話をいただきました。
「地域が幸せでないと、そこに住む人が幸せではない」「いい地域を作る事が人の幸せに寄与している」おぼろげに感じていた事を改めてはっきりと言葉にされると、目が覚めたような思いがします。
“地域をよくする為に何をすべきか?”“何を目指して頑張るか?”もっと突き詰めれば、“人の活動は何の為なのか?”“人は何の為に生きているのか?”
この先、今以上に高齢化社会になっていきます。子供からお年寄りまで笑顔で暮らせる賑わいのある町(地域)とは。すでに新しい時代の地域づくりをしていかなければならない時は来ていました。これからの自分に大きな宿題です。
○ゴミ
“なんとなく知っています”レベルで向き合った豊島産廃物問題。石井氏の講演を聞き、ゴミの真上に立ち、そこで戦った方々のお話を聞きながら、いろんな思いが交錯していました。思いをもった人の強さに感動し、弱者に対する行政の対応に憤りを感じ、他人に無関心だった自分が情けなく。
「あのゴミの中に自分が出したゴミがあるのではないか?」あの日以来、ずっと心に引っかかっています。ゴミ問題だけでなく、豊かで便利な生活を享受する為に犠牲にしているものは決して少なくありません。いつの日にか大きなしっぺ返しが来るでしょう。いや、もう既に温暖化は進み、異常気象が始まっています。子供たちの未来に何ができるのか。今この瞬間からできることをみつけ、行動していかなければいけません。
○これから
直島合宿の目的に「発想の転換をする」とあります。この2日間で経験したことはまさに「目からうろこ」の連続でした。なにも考えず、何も感じずにいれば、ただ時間だけが無為に過ぎていく毎日を過ごすことの愚かさ。しかし、意識を持っていろんなものを見て、体験し、感じ、考えていけば新しい発見があるはずです。今までとはまた違った自分になれるよう、毎日を大切にしていきたいと思います。
最後にすばらしいお話をしていただいた皆様、このような貴重な機会を与えてくださった関係者の皆様、共に時間を過ごした塾生の皆様、ありがとうございました。そして、例会担当の方々、ご苦労様でした。
|
|
|
|