2008年 直島特別例会

 
◆林部 貴亮(岡山政経塾 七期生)
犬島、直島、豊島合宿レポート
   岡山政経塾
  直島合宿レポート(2008/07/12〜13)



 まず、今回の機会を与えていただいた、犬島・直島・豊島の皆様、政経塾事務局の皆様、例会担当の方々、本当にありがとうございました。
 今回の合宿で最も印象に残った言葉は、福武幹事から頂いた「夢は、持たないと実現できない。夢ができたら、その実現のための方程式を探せばよい」です。まずは「体験」から夢を描き、考え抜いたり、違った角度から発想したりすることで、夢実現のための方程式を探し出し、解いていきたいと思っています。

T.犬島見学
 美術・環境・近代産業の融合がすばらしく、訪れるだけでインスピレーションが沸いてくる場所だと感じました。そして、見学後は「三島」の印象が強く残っています。読み上げられた「檄文」を、目を瞑って聞いた経験を思い出し、「国への憂い」と「何とかしなければという決意」が熱く胸に染み入っています。日常では、国に対しての憂い(諦めに近いもの)は持ちつつも、自分は国をどうしたいのか、その想いを持っていないことを気づかされ、「三島」までは行かなくても自分としてのビジョンというものを持つべきと感じました。

U.直島見学
 8年ぶりの美術館・家プロジェクトでしたが、新たな発見が多く「発想の転換」ができるいい機会でした。ベネッセハウス・地中美術館で現代美術に囲まれ、(意味がわからないものが多いのは事実ですが)自分なりに解釈をすることで、日常とはまったく違った「感じる」体験ができたと思っています。そして、美術館という「ハコ」をも変えてしまう作品たちから、「枠にはまらず枠を作り出す」強さを持ちたいと感じました。

V.福武幹事・村田先生ご講演
 福武幹事のご講演では、「やはり日本の未来は大変なことになっている」という実感と、そこに対して「何をしても無理なんじゃないか」と諦めるのではなく、「何ができるのか?」「自分の役割は何なのか?」をずっと考え続けることの大切さを実感しました。また、今後の分科会で「まちづくり」を専攻する予定でしたので、「地方は自分の魅力を消して都会にお金を恵んでもらっている」というお言葉が印象に残っています。今後は、地域を元にした志や活動が、「魅力<金」になっていないか、魅力を高めつつ振興できているのか、こういった観点で地方行政や地域活動を見ていこうと思っています。
 また、村田先生のご講演では、米大統領選の詳細が手に取るようにわかり、大統領選での戦略的な活動を知ることができました。そして、その大統領選をフィルターにして日本の政治を見ることでさらに新しい視点ができてくる、という「発想の転換」の重要性を随所に感じました。「知ること」、そして得た知識を「つなげ」、つないだものを「様々な角度から検証」し、「新たな発想を創出したい」と感じました。

W.豊島見学
 イメージとして今でも頭にへばりついているのは、公害調停の参加者名簿に喪章が多く張り付いていたことです。何ともいえない思いが胸をよぎりました。2日間の合宿で最もインパクトがあったのがこの豊島見学だったのは私以外の多くの参加メンバーも一緒だと感じるほど、様々な想いが沸いてくる内容でした。
 「住民運動」についてあまり知識がなかった私としては、「生きるために自分たちの場所を守る」ことと「住民エゴ」という間で揺れ動いた豊島の皆さんの状況に驚愕しました。(少し歴史を聞いただけの者が簡潔な言葉でまとめることだけで失礼かと思いますが)最後は、豊島の皆さんにとって、自分たちの役割が「この島を守る」だけでなく、「日本全国に向けて、全てのことを行政任せにせず、自分たちの目で判断し、行動することの大切さを伝えていく」ことに変わったのではないかと思っています。

X.最後に
 今回の合宿の目的である、「見る・聞く・体感する」ことの重要さを実感しました。今後は、この体験をもとに分科会での討議で「考える力を身につける。発想の転換をする。」という段階に入っていきたいと感じています。特に、今回の分科会研究は、「岡山市への提言」という形で大きく形にすることになりました。とても大変でプレッシャーを感じていますが、逆に今回の経験を行かせるのではないか、というワクワクする気持ちもあります。
 岡山市政や市民の暮らしや市民の気持ちを「見る・聞く・体感する」ことをまずは率先して行いたい、そして「岡山市のために何ができるのか」「できることの中での自分の役割は何か」を一生懸命に考え抜きたい(その考える力をつけたい)、その結果として岡山市を動かせるようなレポートを作り上げたいと思っています。