2008年 直島特別例会

 
◆藤井  勲(岡山政経塾 七期生)
犬島、直島、豊島合宿レポートト
  犬島・直島・豊島合宿を経験して思うところ



 内容盛りだくさんの合宿でした。2日間フルに五感を使った合宿でした。
 個人的に仕事で10年前から直島を知り、5年ほど前から犬島も知り、2年ほど前から豊島を知り、地理には詳しく、関係者も知っていましたが、この合宿例会の担当者の一人として、てんやわんやの二日間でした。
さて、今回の合宿の目的は「見る・聞く・体感する。考える力を身につける。発想の転換をする。」です。
 では「見る・聞く・体感する。考える力を身につける。発想の転換をする。」を通して
見学、講演、分科会検討それぞれについて感じたことを書いてみます。

 犬島の精錬所
 今から38年前の三島由紀夫の市ケ谷駐屯地自決時の声明文(決意書とでもいうべきものか)を読み上げていただき、聞き入った時間は自衛隊に入隊体験をし、永岑先生から紹介を受けた新田次郎の「歩兵の本領」を読んだ者として、また好き勝手にわがままに何不自由なく、平和で豊かな日本で生活をしている者として昔話でもあり、自決をしなければなせないことなのかと思う自分もあり、また、日本を大切に思う非常に大きい情熱の塊を感じた自分もあり、今の日本国、日本人が進むべき方向について考えさせられる時間でした。

 直島ミュージアム、地中美術館、家プロジェクト
 現代アートの持つ不思議な魅力、考えさせる力は作家本人を想像し、作家の人となりを理解することでより強いものとなって体感する者にお襲いかかってくるものだと思いました。
 理屈はいらないのかもしれない。形が面白い。色がきれい。そんなんじゃないのかもしれない。
 現代アートは現在の世界(日本)ルール、文明、生活への矛盾批判であり、それを理解することによりすこしでも、本来あるべき生活に近づいていく道先案内役なのかもしれないと感じました。

 豊島産廃現場、処理施設見学
 豊島事件といわれているこの産業廃棄物不法投棄事件。
 産業廃棄物排出者の責任はその廃棄物が適正な施設において、適正に処理されているかを自分たちの目で確認することであり、現在はそのように運用されている。ごみ問題に対する法の不整備の時期だったと結論付けるのではなく、豊島の島民のみなさんの豊島事件解決に向けた、いや今もごみの最終処分の経過を見守っているわけで、いわれの無い批判、嫌がらせを受けながらも、あきらめることなく、戦い続けているパワーはいったいどこから沸いてくるのか。考えさせられる見学でした。

 福武幹事の講演
 日本の現状を理解し、その危機的な状況を打開するための試みとして、かつ今は実績となっている直島での取り組みについて改めて理解を深めた講演でした。
 「直島独立」の提言は非常に興味を覚えました。学生のころ国際法の授業の中で先生に進められて、井上ひさしの「吉里吉里人」を面白く読んだことを思い出しました。まさに東北の一地域の日本からの独立を描いた作品です。
 幹事から「人生とは自分自身のメッセージを作品化すること」と話がありましたが、これを藤井勲としてどのような形で実現化していくか、いや形に残さなくてもいいメッセージもあるかもしれないけど、じっくり悩みながらどのようにこれからの人生を過ごしていけばいいのか、自分の将来を創造できるよう日々勉強していこうと思いました。

 村田先生の講演
 正直私はアメリカの政治にはまったく興味が無く、大統領選挙もエンターテーメントとしてみてました。
 経済面でアメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひくといわれたこともありましたが、今回の講演を聞いてアメリカの民主主義について村田先生のすすめる本「アメリカにおける民主主義(アメリカのデモクラシー)」を真面目に読んでみようと思ってます。
 そして、時間はかかるかもしれないし、難しいかもしれないけど、日米関係の中でアメリカが考えている安全秩序維持のための外交政策について日本のとるべき道を私なりにシュミレーションしてみたいと思います。

 分科会の検討
 今回の合宿でこの検討が一番しんどかったです。やることがいっぱいあって悩んだわけでなく、何をしていいかわからなかっただけです。
 当然、この政経塾に入塾するに当たって、活動検討項目を岡山市の活性化と決めましたが、具体的な活性化内容が思い浮かばず、福武幹事、小山事務局長から駄目だしを受けました。
 「庭園都市構想」に基づく岡山市の策定ビジョンの実現のための具体的な検討事項を今、チームのみんなと考えてます。
 これから具体的政策検討項目を見つけるために岡山市から発信される人・もの・金、岡山市へ入ってくる人・もの・金のデーターをチェックし、特定し、岡山市にとって必要とされる街づくりとは何かを見つけようとしています。
 そして街づくり推進の理念、定義、目的を明確にし、私たちが提言する政策を胸を張って、自信をもって、岡山市に説明し、「庭園都市構想」の実現のための事業として採用されるよう実効性のともなったレポートに作り上げたいと考えてます。

以上、「犬島・直島・豊島合宿を経験して思うところ」でした。