2008年 直島特別例会
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◆藤井 貴之(岡山政経塾 七期生)
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犬島、直島、豊島合宿レポート
直島、犬島、豊島合宿レポート
はじめに
私は今回、直島、犬島、豊島の3つの島での合宿に参加した。今回学んだこと、感じたことをまとめる。
発想の転換
直島、犬島で一番強く感じたこと。それは発想の転換の効用と必要性である。
誰が思いついただろう、古びたレンガの煙突をアートの一部として売り出すなど。はげ山の多い島を観光名所にしようなど。そして、さびれた瀬戸内海の島がアートの溢れる島になり、外国からの観光客が訪れることになると、誰が予想しただろう。岡山と香川の一部の者しか知らなかった直島を日本屈指の観光スポットにまで押し上げたのは言うまでも無くアイデアである。島の一部が丸ごと美術館。自然に囲まれ、日ごろの喧騒を離れてアートに親しむ。多くの人にとって魅力的なフレーズだ。今はまだミュージアムがオープンしたところで、それほどメジャーではない犬島も数年後には予約が取れなくなるのではないだろうか。
悲劇
さて、私はこの合宿に参加する数ヶ月前まで豊島の存在もそこで起きたあまりにも悲しい事件についても全く知らなかった。おそらく岡山政経塾に入塾していなければ知ることは無かっただろう。今回豊島について、事件について一部ではあるが知識を身につけ、石井さんのお話によって追体験できたことは本当に良い経験になった。行政の杜撰さ、司法の曖昧さ、そして選挙の不条理さを知ることができた。もちろん今回知ったことが全てではないが、豊島でおきたようなことが現実としてあるのである。そのことを認識できたことが非常に大きな収穫である。
なにより大切なことはこのような事実を多くの人が知り、受け止め、忘れることなくこれからの日本を作っていくということである。もう二度と日本で、そして世界でもこのような惨劇に見舞われる人を生み出さないために。ゆめゆめこの事件を記録からも記憶からも消し去ってはいけないのだ。
終わりに
今回はあまり時間がなく、石井さんから豊島の事件について多くを聞けなかったのが唯一心残りである。だが、全てを知っていないからこそ、また行きたくなる。
ぜひ来年も豊島に行って石井さんのお話を聞きたい。来年から社会人になり、今とは違った受け止め方ができる気がするのでなおさらである。これはアートについても同じことが言える。その時の状況や心情が違うとアートは違う顔を見せる。直島の海や緑も違う声を聞かせてくれるかもしれない。
今回から体育会系の岡山政経塾を脱却し、知的な岡山政経塾へとシフトチェンジをした。今回学んだことをこれからの人生にいかしつつ、分科会、例会に参加したい。
岡山政経塾 7期生 藤井貴之
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