2010年 直島特別例会

 
◆佐藤 俊輔(岡山政経塾 七期生)
松下政経塾・日本青年会議所・岡山政経塾  直島合同合宿レポート
  『再度、直島合宿に参加して』



 今年は、瀬戸内芸術祭が開催されること、松下政経塾、日本青年会議所との合同合宿であるという、一昨年とは異なる新しい合宿内容であることに興味を感じて、再び合宿に参加した。もちろん遊びに行ったのではなく、著名な講師を迎えての講演を中心としたカリキュラムであった。
直島プロジェクトの歴史等について語ってくださった笠原先生、電気自動車の世界的な普及を目指して研究、実践を行っている清水先生、政治を中心としながらも専門分野を超えた日本の行く末に係る問題を情熱的に語ってくださった村田先生、「益田市を一流の田舎まちにする」ということをスローガンにその意味と取り組み等を厚く、明快に語ってくださった福原先生(市長)と、分野が多岐にわたる飽きのこない内容であり、同時に日本、地方の行く末等を考える上で様々なヒントが得られる有意義な内容であった。
 また、同時に感銘を受けたのは一昨年に比べて直島の街が多少変わっているということであった。もちろん、直島プロジェクトの一環として銭湯の「I love 湯」、李禹煥美術館が新しくオープンしていることもあったがこれら以上に興味深かったのは、家プロジェクトが散らばる本村地区のいたるところにカフェや食堂、店舗などがオープンしていたことであった。 
 一昨年はベネッセがメセナ活動の一環として行っていた家プロジェクトが散らばるだけの素朴な地区の印象であったが、時が流れる中で住民等ベネッセ関係者以外の人々の出店意欲、町づくり意識等が増していき、店舗等が増えることによって、一昨年よりあかぬけた街が誕生していたのである。
 この点については村田先生も触れられていたが、リチャードフロリダらが唱える文化が経済を生み出すというこれからの新しいモデルの実際上のあてはめのケースといっていいのではないかと考えた。
 まだまだ、途中段階であり、また、周辺の島々に広がりを見せつつあるアートプロジェクト、そしてこれら活動とともに顔を変えつつある島内部の集落、これらについてこれからも注意深く見守っていくとともに自分の活動にも生かしていきたいと思う。