2013年 直島特別例会
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◆小田 圭一郎(岡山政経塾 十二期生)
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岡山政経塾 直島特別例会レポート
『見て、聞いて、体感することにより物の見方、考え方が変わる』
直島例会では行く直前に瀬戸内の島々と現代アートを見ることで、何を体感し、何を感じ、そして、発想の転換のきっかけになればと思っていました。今まで現代アートなどを見ても何も感じることがなかったので島の魅力の方に期待し参加しました。
●現代アートについて
最初に地中美術館に行ったとき建築物やデザインを見ながら何を目的に、何の意味があってこのようなアートを作り出しているのか不思議で理解できませんでした。ごく普通に感じることはきれいだな、変な形だな、どうしてこんな発想ができるのかという視点でしか感じたりすることができませんでした。しかし、森弥生先生の話を聞きアートの見方が変わってきました。そして、美術鑑賞の授業指導、VTP(ビジュアル・シンキング・プログラム)を受け、展示された作品を見て、自分の意見や感想をことばにして人に伝え、人の意見や感想をよく聞き、さらにしっかりと作品を見ながら、自分なりの見方や考え方を深める。このVTPの受講を受けてからアートを違う角度から見えるようになり少しアートに関する興味がでてきました。そしてアートだけではなくこのVTPは会社経営、人材教育、人間関係などコミュニケーション能力も深められる手法だと感じました。VTPを受けてそのあとの直島、犬島の家プロジェクト、精錬所美術館、豊島美術館のアートを最初の感覚とは全く違う感覚で体感できました。
●豊島産業廃棄物不法投棄事件、
日本最大の産業廃棄物不法投棄事件の舞台となった豊島は何度か観光で訪れたことがありました。産廃の件については約20年前にテレビや新聞の記事でみた記憶がありその問題は香川県が産廃処理場を豊島に島民の許可なく建築し問題になったのだろうというぐらいしか思っていませんでした。しかし、豊島の事務局長のお話しを聞き、産廃現場も見せてもらいましたが非常に驚き、また心が痛む思いになりました。また認識が全く違っていたことに自分自身が情けなくなりました。一個人の業者が発端で、島が香川県庁、国を相手に問題が大きく取り上げられていたとは知りませんでした。事件は悪質な産廃業者の不法行為によるものでしたが、根底にあるのは、消費された後の「商品」に責任を負わない日本経済の利潤至上主義でありその尻ぬぐいは県組織で責任逃れをし、そして結果的に国民の税金で膨大な財政を支出する。こんな矛盾な事が起きている。島民は香川県議会の被害者であり国民の犠牲者であるように思います。そして一応の決着まで25年、しかし、まだ豊島問題は解決してはいないし、この事件が兵庫県警の業者の摘発、逮捕でことがようやく前に進むが、その後の最終処理をどうすることが最も重要な問題でありながら、また県議会は責任を先延ばしにする。そして今も産廃処理が行われている。自動車に関わる仕事をする経営者としてシュレッダーダストが出る原因である自動車、それを利用する我々も廃棄物を排出し、間接的に加害者となっている可能性は大いにあります。未来の為にも掘り下げた検討が必要であると感じました。
●まとめ
この2日間は「見て、聞いて、体感することにより物の見方、考え方が変わる」その大きなきっかけとなりました。そしてアートの見方は随分変わりました。自分なりにアートとは考えたとき「現在の自分の心の鏡」であり過去と未来を想像し観賞する。そのような見方に変化しました。作者は何の為に、誰の為に作るのかは理解できませんでしたが。
また、豊島問題は非常に大きな衝撃を受けました。闇の政治と闇の経済を狭間みた気がします。我々が廃棄物問題の現状を知り、廃棄物に対する意識を高め、行政は義務を全うし、国民一人一人がこの問題に日常生活を通して協力しなければならないと痛感しました。自然と共有し街の歴史と文化を育む努力を続けなければ
2日間同行して下さった小山事務局長、現地でご案内頂きました西美さん大変お世話になり感謝申し上げます。また、同期の皆様、有難うございました。
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