2013年 直島特別例会
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◆三宅 由佳(岡山政経塾 十二期生)
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岡山政経塾 直島特別例会レポート
『心の豊かさとは、 〜見る。聞く。体感する。ことから学んだこと〜』
●はじめに
「青い海・青い空・豊かな緑、そしてアート」直島は、瀬戸内海に浮かぶ芸術の島。そして私は、毎年夏ここに訪れるたび、感動と癒しをもらい「また、がんばろう」と心の充電をする。今回「見る。聞く。体感する。考える力を身につける。発想の転換をする。」事を目的とし、岡山政経塾の直島特別例会に臨んだ。今回の合宿では、何を感じる事ができるのか、自分自身の新たな発見を期待した。
●地中美術館
クロード・モネが描こうとした風景を、地中の庭は再現している。そして、もうここから異空間への扉は開かれている。何とも言えない草花や樹木の自然な美しさ。そして池には、凛とした睡蓮の花。
そこを通りぬけると地中美術館の入り口にたどり着く。地中美術館の中でも私が一番好きな作品は、
ジェームズ・タレルの「オープン・スカイ」である。光と空間をアートにしたあの場所の一角で、光を感じ・そこから空を見上げると、ありのままの自分に戻れる気がする。そして日常で起こる全ての事が、小さな事に思えてくる。また「がんばろう」と素直に思える場所である。そこでもう一度「アートとは?」と私に問いかけるならば、私自身の活力の源であり、癒しであり、自分の見方・感じ方を再発見できるものだと思えた。
●豊島
今回の合宿で私が最も衝撃を受けたのは、ここ豊島である。豊島の産廃問題の事は、TVなどで知ってはいたものの、実際豊島を訪れ産廃問題の話を聞き、処理場の見学をしてみて初めて、これほど悪質で島民の方々を苦しめた問題であった事を思い知った。そして、島民の方々の長きにわたる苦しみを考えると、自然に涙がこぼれてきた。この問題は、人の欲とエゴの塊である。そしてこの問題に対して島民の方々は、真摯な態度でブレる事なく闘ってきた。豊島問題の記録を読み返せば読み返す程、島民の方々の「何があっても負けない」という強い意志と「島の再生」を目指す情熱を感じる事ができた。
中防 公平氏は、「人はどのようにして動くものなのか。私は社会を本当の意味で動かすものは、決してお金でもないし物でもない、心だと思います。心と心が通い合えばこそ、私はどんなことでもできるのではないかと思います。そういう人の心の共鳴が、豊島にかかわってくれたのです。」と述べている。この一文を読んで、今の現代社会に欠けているものが見えた気がした。そして、物の豊かさより心の豊かさ。私が思う心の豊かさとは、何事にも情熱をもち、感謝できる心・感動できる心だと感じた。
●まとめ
今回の直島特別例会では、今までに感じた事のない感動と衝撃があった。まず自分自身にとって「アートとは何か」深く考えた事はなかった。しかし今回再考することで、ぼんやりしていた思考がクリアに整理された。また豊島問題では、産廃問題を考えると共に人の弱さと人の強さを深く考え、心の豊かさの大切さを学ぶことができた。この2日間の合宿での体験は、私にとって意味深いものとなった。
さいごに、今回の合宿を通して、意味ある多くの学びを得る事ができました。小山事務局長をはじめ、色々な心温まる配慮をして下さった西美さん、その他多くの関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
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