2010年 直島特別例会

 
◆森田 明男(岡山政経塾 八期生)
松下政経塾・日本青年会議所・岡山政経塾  直島合同合宿レポート
  『瀬戸内国際芸術祭直前のアートの息吹と熱い語り』



 いよいよ7月19日から100日間に渡るアートフェスティバルが、この直島を中心とした瀬戸内の7つの島々を舞台として始まります。その会期直前の時期に直島に訪れる機会をいただいたことにまずは感謝したいと思います。昨年も同じ時期に直島合宿に参加させていただき、たくさんの刺激をいただきましたが今年はアートの息吹をより感じることができるのではと期待に胸を膨らませて臨ませていただく行事となりました。個人的には、昨年鑑賞させていただいた「地中美術館」「ベネッセハウスミュージアム」「家プロジェクト」の再訪問よりも今年新しく開館した「李禹煥(リー・ウーファン)美術館」の鑑賞とユニークなアート銭湯「Iラブ湯」の体験に興味を持っておりました。結果的には、美術館の鑑賞も、銭湯の体験もすることができ、大変有意義な時間を過ごせました。

 「李禹煥(リー・ウーファン)美術館」は、観客と造形の関係性をも感じてもらうような現代アートとして作品が展示してありますといった事前の学芸員の方のアナウンスをいただきましたが、私にはとても難解でした。ただ、瞑想空間は心が落ち着く趣きがありました。また、「Iラブ湯」は、昔懐かしい銭湯とは違い見事にアート空間として成立している、お風呂という機能が付いたミニ美術館と言える作品でした。全般の感想として昨年よりも少しずつではありますが、ゆっくりと、そしてゆったりと新しい直島アートが島のあちこちに増えていることが心地良い、そんな感覚を感じた次第です。今回は、時間の関係もあり、見学させていただいた所は少なかったですが、また会期中に再度訪れてみようと思う、そんな温かさに溢れた直島でした。

 今回の特別例会は、例年とは違ってまさに特別、松下政経塾の塾生と日本青年会議所の会員の方と合同で行なう研修例会でありました。また、講師陣も多彩で、EVの先駆者・慶応義塾大学の清水教授に、松下政経塾OBで島根県益田市の首長・福原市長、そしてテレビなどでもご活躍の政治学者、同志社大学・村田教授の3名。清水教授のお話しは、ものづくり日本がまだまだグローバルな戦いでも決して負けないだろうと感じられる未来産業についてのお話しを。福原市長は、地域主権を実現するためには、強い志しと熱い思いでリーダーシップを発揮していくことの重要性を繰り返し説かれました。そして村田教授は、世界第2位の経済大国、日本の将来的なナショナルアイデンティティを生み出すヒントを。それぞれの方の熱い語りには私が常々思っている閉塞感漂う今の日本を、社会を、地域を変革するために重要な最初のキッカケ、夢と希望と勇気の源も多分に感じられ、この講義からは本当に多くの示唆と感動をいただけたと思います。私も岡山政経塾をこの春に卒塾させていただき、今年からは地域から日本を変えるという活動を実践していかなければならない立命の時期だと思っております。まだまだ実践こそ充分できておりませんが、この機会もまた今後の活動に繋げていくための大切な学びとさせていただきます。

 いつも多くの学びを頂戴する政経塾行事に感謝いたしますとともに、今回の労をお取りいただいた9期の野田さん、東さん、藤原さん、6期の西美さん、7期の藤井さん、そして小山事務局長、小川監事、本当にありがとうございました。