2010年 直島特別例会
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◆谷 正太郎(岡山政経塾 九期生)
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松下政経塾・日本青年会議所・岡山政経塾 直島合同合宿レポート
『お年寄りが元気な島』
はじめに
「見る・聞く・体感する。考える力を身につける。発想の転換をする。」名もない瀬戸内の島が世界から注目を集める島になっている。世界中から芸術家を集めて、ここでしか見れないものを創る。そして体感できるアートがある。そんなすばらしい環境の中ですばらし講義を聞いた素敵な例会でした。
海を越えて 瀬戸内の島、直島は船を使わないと行けないという一見、交通の便が悪そうに思えるがフェリーに乗っている時、私の心はわくわくしていました。これは発想の転換!?船を使って海を渡るという楽しみに変えている、島に着く前に瀬戸内の美しい自然がひとの心を魅了する、プロローグになっていると思いました。
私は過去に一度直島にアートを見に来ています。しかし今回の直島は前回とまったく違うものになりました。同じアートも何も考えずに見るのと、今回の目的の「考える力を身につける。発想の転換をする。」という事を思いながら見るのではだいぶ違ったように思えました。
直島で
「Benesse」=よく生きる、この言葉のとおり、町をひとを取り込みお年寄りが元気になっている島でした。島が世界に認められ、島の素晴らしさを再発見し、島を誇りに思う。島に訪れる人々とつながりを持ち、人と人とのコミニケーションが人々を島に呼び戻す、その人たちがまた帰ってくるから元気でいないといけない。これが島民がよく生きるということだと思いました。そして「ある物を生かし、新しいものを創る」これは島の人も思い入れがあるアートが出来て、近代的なものばかりではなく地方の良さ、つまりそこでしか見れないものが出来ていると思いました。
地中美術館は建物自体が芸術で6度に傾いていたり、打ちっぱなしのコンクリートの壁にスリットが入っていて周りの土が引っ張っている!?地下にあって自然光だけなのに意外と明るいし、地中カフェのガラス窓の外は美しい瀬戸内海の風景が広がり、いつまででもいられるような感じでした。そのガラス窓のすぐ目の前には白いラインがあり、これは塩田の跡地らしく、それを残しているところにも細かいこだわりが見えました。
瀬戸内の景観を壊さないように地下に建物を造り「1000年もつものを創る。」1000年!?京都ぐらい!?遠すぎてよくわからないですが1000年後もこの美しい瀬戸内の風景一緒に残っていけばいいなと思いました。
講義 清水教授の電気自動車の講義は壮大で、21世紀は世界の人が幸せに暮らす時代という、国益よりも地球益を考えた、私の枠を完全に超えた講義でした。
私の印象は、もちろん電気自動車の技術がすごいのですが、それを越えた明るい未来の話、一つの技術で世界を変える、すごいお話でした。まさかこんな話が聞けるとは思っていませんでした。
福原市長は一流の田舎町、新しい自治体経営(職員半減、サービス倍増)というお話でした。多くの地方都市は欧米・東京志向である、そうではなく近代物質文明からの脱却をして、地域の歴史・文化を見直し益田市にしかないものや、魅力的な景観、それを美的センスで地域の個性を出していく、市長の情熱を感じました。
村田教授は政治や世界情勢のお話を分かりやすくしていただき、100年に一度の人材不足で100年先を考えている坂本竜馬のような人材がいないといわれました。そしてそのような人材は市民が育てるというお話で、国民みんなで日本を良くしていかないといけないと思いました。
最後に どの講義もすばらしく、アートも良く、人も良く、自然が良いそんな中で私なりに色々と考え、体感した2日間でした。過疎・高齢化が進む島でアートと自然を通して人がつながり、お年寄りの笑顔がある、お年寄りが笑顔な地域はいい地域だ、若者が自分の未来像をお年寄りに見るからだ。そんなモデルの町でした。すごくいい島が岡山の目の前にある、岡山も負けてはいられないと思いました。
最後になりましたが幹事の方々、小山事務局長、ベネッセの方々大変貴重な2日間になりました。ありがとうございました。
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