2010年 直島特別例会
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◆藤原 弘憲(岡山政経塾 九期生)
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松下政経塾・日本青年会議所・岡山政経塾 直島合同合宿レポート
『frame:フレーム』
1.はじめに
今回、松下政経塾、日本青年会議所との合同直島例会での講義及び討論、現代アートの全てを経験し、私の中で自然に浮かんだのがこのタイトルでした。
2.講義
(笠原良二副社長)
直島プロジェクトについてスライドを使って説明して頂いた。
私自身は芸術=「壁に飾ってある有名人の書いた絵を鑑賞する」だけと思っていた為、安藤忠雄氏の建築物以外に全く関心が無く、実際に二日目に体感するまで一切何も思わなかったのが本心です。
ただ、何をするにしても全てに対して「反対!!」が当たり前のご時世、島の住民の理解を得てきただけでも凄いのに、住民の方々が逆に協力してくれるようになったという説明を聞いた時、現代社会の常識の枠組みを超えたこのプロジェクトの素晴らしさを物語っていると思いました。
(清水浩教授)
CO2削減に対するエリーカという電気自動車について講義して頂いた。
私は車についてプロでは無いけど、趣味が車やバイクだったので素人ながらも多少の知識があった。電気自動車の話は沢山聞いてきたので、同じ内容かと思って聞いていたらいきなり驚かされる事になった。
「インホイールモーター!!」
原動機を衝撃や事故等で、一番負担のかかる足回りに持ってくるなんて、私の頭の中では考えられない事なのでかなり驚かされた。講義中にも関わらず私の頭の中では、「バランスは大丈夫なのか??パンク等してもモーターに支障はないのか??サスペンションやアーム系はどうなっている??インホイールモーターなら、完全な2輪駆動のバイクの実現が出きる。1つで80馬力ならバイクにつけたら単純に160馬力になる。2輪駆動で同期は出来るのか??いや、出来たとしてもストレートだけで、コーナーで吹っ飛ぶから操れないなぁ。」といろんな事を考えていた。
最後に、独特のフレーム形式による為、昔の車のボディを載せられるという話を聞いて素晴らしと思った反面、「その車が本来持っている、独特のエンジン音や排気音がしないのはどうなのだろうか??」と悩まされ、一回エリーカに乗ってみたいと思いました。この講義中にこんな事を考えていたのは、私一人だけでしょう。
清水先生、大変申し訳ございませんでした。
(福原慎太郎市長)
益田市を一流の田舎まちにという事で、スライドで益田市の自然の素晴らしさと行政改革について講義をして頂いた。
行政改革目標で「職員半減、サービス倍増」とい事について、少しばかり考えさせられた。役所も構造的には一般企業と同じく、若者を育てなくては将来的に機能しなくなるという事だ。住民票や印鑑証明等を発行する窓口サービスだけが市民サービスでは無く、市民の委任状を持って、各管理課で専門的な許認可を得ている代理業者もいる。そういった、各管理課の職員としては許可権者として専門知識を要する事になる。業者が提出した書類が今までなら2週間で許可を受けていた物が、職員の削減により、知識も無い人間を急に割当てた為に、1カ月以上も時間を要する事がある。これは、あきらかに市民サービスを衰退させている事になると思う。また、団塊の世代が定年退職を迎える今日、次の世代の職員を育て、知識や問題点を引き継いでいく事をしてほしいと個人的には思いました。
(村田晃嗣教授)
私にとっては2回目の講義で、昨年の岡山政経塾の第一回目の公開例会での講演が村田先生でした。その時は丁度、衆議院選挙で政権交代が行われた直後の講演で、「新政権における外交課題」という題で民主党政権の抱える外交問題について話をして頂いた。その時に話された言葉で「民意は直近の選挙に反映される」ということで、2010年の参議院選挙の重要性を話されていたので、今回はその解答を聞けるかと思っていましたが、講義当日が開票日だった為、前回のように突っ込んだ話はなかった。その代わりに今後の日本の目標について、具体的に分かりやすく講義して頂いたので個人的に非常に為になりました。
3.アート見学
昨年の12月の公開例会で福武總一郎幹事の講演を聴くまで、直島プロジェクト、現代アートの事を全く知りませんでした。
今回、ベネッセミュージアム、地中美術館、家プロジェクト(碁会所・石橋・角屋・南寺)と見て回り、全てに驚かされたのだが、その中でも、私の心にもっとも残ったのはミュージアムの「100年生きて死ね」というネオン管を使ったブルース・ナウマンの作品と、地中美術館の「クロード・モネ・スペース」の二つでした。
ブルース・ナウマンの事は全く知りません。ただ、ランダムに100通りの生と死に関する単語が光るたびに何かを考えさせられ、創造力をかきたてられる作品でした。
恥ずかしい話ですが、クロード・モネも名前を微かに聴いた事があるぐらいで、ほとんど知りませんでした。安藤忠雄氏のコンクリート構造技術に関心ばっかりしていて、気づいたらクロード・モネ・スペースに着いていました。何も気にせずにその部屋に入った瞬間、完全に別世界へ飛ばされた感覚でした。上手く例える事ができませんが、俗に言われる理想郷とはこの空間みたいなの場所を示すのかと思いました。
4.終わりに
今回の例会で「見る・聞く・体感する。考える力を身につける。発想の転換をする。」という目的に関して、私は全くの無知のおかげで素直に学び、考える事ができたと思います。
特に現代アートに関しては本当に多くを考えさえられた。気がついたら景色、風景見るもの全てがアートに見え、写真を撮ればその1枚ずつが画枠に入った1つの作品になった。そんな感動に浸りながら地中カフェから瀬戸内海の写真を撮った時、福武總一郎幹事の言葉を思い出した。「空から瀬戸内海を見た事ありますか??」
全く想像つかないですが、素晴らしい景色が見える事は間違いないと確信し、いつか見る事が出来たらいいなと思いました。
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