岡山政経塾 チーム21
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◆岡山市中心市街地の現状と未来への取り組み◆
〜市民の声から〜
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第一章 世論の動向から 数字は嘘をつかな
第2項 岡山市民以外の人から見た、岡山市の七不思議
6期生 春名 宏司
1.はじめに
平成21年4月、岡山市は全国で18番目の政令指定都市に移行する。政令指定都市移行に伴い、国道・県道の整備と管理、教職員の任免権など約1500の事務・事業が県から委譲される。また財源規模も拡大し、自治体として大きく生まれ変わり、新たな拠点都市としての役割を果たしていくという責任を負うと共に、全国に名を轟かせる街に発展していかなければいけない。
そして、岡山市を新たに拠点とする企業や、観光客も増え、岡山市外の人々が岡山市を訪れる状況が生まれるだろう。
しかし、そうした状況の中で、今の岡山市で本当に大丈夫なのだろうかという不安が頭によぎってしまう。
岡山市は国から政令市指定されることのみが最優先され、岡山市民はもとより政治・行政も政令市になることに対する自覚や気構えの部分をおざなりにしていたのではないかという感がある。
岡山市には、早急に解決しなければならない課題がいくつか存在する。特に、岡山中心市街地の衰退には目を覆うものがある。
岡山市を訪れた人々が、岡山駅から一歩外に足を踏み出し、この街を見たとき何を感じるだろうか。中心市街地を歩いた時に何を感じるだろうか。
中心市街地の姿は岡山市が抱える一番の課題であることは一目瞭然である。
平成21年4月、政令指定都市に移行されることによって、突然何かが大きく変わっていくような状況は、ありえない。
政治・行政が先頭に立ち、岡山市民一人一人が、政令指定都市に住む住民として、意識し行動に移さなければ、変化は生まれない。
この項では、世論調査で得られた岡山市民以外の方の意見に注目し、「岡山市民以外の人が見た、岡山市の7不思議」と題し岡山市の姿を見つめていきたい。

2.世論調査の結果
私たちが行った世論調査において、岡山市外の人の結果を抜粋すると右の通りである。
(問1)に関しては、大きく分けると、満足しているが40.2%、不満があるが58.4%で不満があると答えた人の方が多い結果となった。
次に(問4)「中心市街地の空洞化が叫ばれていますが、活性化のために何が必要だとお考えですか?」の質問に対する回答は以下の通りであった。

(問4)に関しては、上記の通りであるが、7番目の「西川緑道公園の活用」と8番目の「中心部の緑化推進」の意味合いが似ていることから合算すると、「住環境の整備」を抜いて6番目の数字となる。
その上で、活性化のために何が必要と考えられているかの、順位をつけると以下のような結果となる。
1
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商店街の活性化
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2
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公共交通機関の整備
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3
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観光施設の充実
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4
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西口方面の活性化
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5
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文化の発信
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6
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西川緑道公園の活用(中心部の緑化推進)
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7
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住環境の整備
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8
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その他
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9
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公民館などの公共施設の充実
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岡山市外の人々は、現在の状況に満足しておらず、改善の余地があると感じている。
また、この順位は世論調査全体の順位とも等しく、岡山市中心市街地の具体的問題を順位付けたものであると言える。
3.岡山市の七不思議
@ 「商店街では買わせて頂かなければならないの?」
商店街のある靴屋に入り、「春らしい靴を探している」と言ったら「春らしい格好をして来い」と言われ、顎が外れそうになるほど驚いた。
A 「どうしてここで降ろされなければいけないの?」
市内電車の岡山駅前電停は、地下街直結の電停があるにも関わらず、降りる時はそこまで乗せてもらえない。
B 「西川緑道公園ってゴミ置き場なの?」
西川沿いのホテルに宿泊して朝の散歩に出かけたら、西川緑道公園にはゴミステーションが設置されていた。
C 「岡山に出張に来たけど、どこに行けばいいの?」
岡山に出張に来て、空き時間が出来たのでどこか見て回ろうと思ったが、街中には案内地図がなく、どこに行けばいいか分からなかった。
D 「なぜ岡山の人って、岡山のことを知らないの?」
岡山の人に後楽園のことを聞いても、日本三名園の一つとしか答えてもらえなかった。
E 「ここが駅前なの?」
西口は駅前の活気が感じられない。
上記に挙げた6つの疑問は、同じく世論調査で耳にした岡山市外の人々の岡山市に対する声の一部である。
岡山市民としては、当たり前のこととして受け入れ、特に疑問に感じないことでも、岡山市外の人々からすれば不思議として感じられるものである。
これらの疑問は@は商店街、Aは公共交通機関、Bは西川緑道公園、C岡山市の観光、D岡山市の文化の発信、Eは岡山駅西口へ対しての疑問であり、先ほどの「中心市街地の活性化のために何が必要か」で挙げた上位6番目までの項目に該当する。
岡山市外の人々が見た岡山市への疑問の中に、実は活性化に繋がる答えが隠されている。
私たちは、この6項目についての現状と課題を分析し、そこから活性化に繋げるための具体策を見つけるために次章にて各項目に分け、詳しく考察していく。
そして、七不思議と言った7番目の不思議は、岡山市外の人々が見て感じる岡山市への疑問に気付かない岡山市民なのである。
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