岡山政経塾 チーム21

2008年度レポート 2009年度レポート 2010年度レポート

◆岡山市中心市街地の現状と、未来への取り組み◆
〜市民の声から〜


   ◆  目 次  ◆

 はじめに

 第一章  世論の動向から    数字は嘘をつかない
  第1項 岡山市の現状に対して、不満が市民の2/3に達する現状
  第2項 岡山市民以外の人から見た、岡山市の七不思議

 第二章  取り組むべき現状と課題、そして未来のための対策
  第1項 (1)市民が求めている商店街の現状と課題
       (2)商店街の活性化策について

  第2項 (1)市民が求めている公共交通機関の現状と課題
       (2)公共交通機関の整備について

  第3項 (1)市民が求めている西川緑道公園の現状と課題
      (2)魅力に溢れる西川緑道公園の活用策について

  第4項 (1)観光客や訪問客が求めている岡山市の現状と課題
      (2)観光客や訪問者が楽しむことのできる街について

  第5項 (1)岡山の文化発信の現状と課題
      (2)岡山が誇る歴史・文化・魅力の発信について

  第6項 (1)岡山駅西口方面の現状と課題
      (2)岡山駅西口方面の活性化について

 第三章  実現可能な未来の目標に向かって、さぁ!行動を起こそう。
  第1項 政治の責任と行政の責任
  第2項 市民の決起

  おわりに

  岡山政経塾 チーム21メンバー



 はじめに

 私たちは、「地域から日本を変える」「地域から日本を良くしていく」という理念を掲げた『岡山政経塾』の門をたたいた。
 卒塾生は、既に150名を越える者がいて、それぞれに【愛する岡山を良くしたい】、という想いを共有しつつ、時には深夜から明け方に及ぶまで議論を積み重ねてきた。
 
 ところが、岡山市は7000億円に及ぶ借金に苦しみ、岡山県は財政危機宣言をするに至った。追い討ちをかけるような世界不況。中心市街地や商店街の崩壊、学校においては不登校児童・生徒の増大、増え続ける膨大な介護施設の待機者、一向に上がらない犯罪検挙率等々、市民生活は脅かされ、未来に夢や希望を描けないでいる。
 世界は大きな転換期を迎えている。同時に、日本も経済成長だけを追い求めていた時代から、少子高齢化、経済の崩壊、そらに巨大な借金を抱えた財政などの現実に対応できず、指をくわえて見つめている。
 今の日本を大きく方向転換するには、政治の力強いリーダーシップが必要である。しかし、政治も行政も前例踏襲主義から脱皮できないでいる。
 私たちは、偉大なる歴史と先人に学びつつ、現状を分析し、20世紀の価値観から、21世紀の価値観へと大きく方向転換した新しい中心市街地のあり方を提言する。
 勿論この提案は、郷土岡山に住まいする市民が、何を不満に思っているのか、何を求め、何を期待し、何をしたいのか、という民意を原点に、今日・明日には非現実的だが、5年〜10年先の未来には実現すべきことを提案する。
 
 私たち岡山政経塾のチーム21のメンバーは、一般的に中心市街地と表現されるエリアのあり方について研究した。では、中心市街地とは何処なのか?この答えは、メンバーの認識が一致しなかった。そこで、私たちは、中心市街地を「内環状線内のエリア」と定義した。
 岡山市における中心市街地の空洞化が叫ばれはじめて久しい。昭和の時代は、均衡ある国土の発展を旗頭に、日本のつつうらうらまで基盤整備をしようとしていた。しかし、少子高齢化社会を目前にし、また経済が高度成長期のような伸びが期待できなくなってから、コンパクトシティーへと発想を取り入れる必要があったのではないか。それは、この少子高齢化に予測は、昭和50年代には活発に議論されていたからに他ならない。しかし、この構造変化という現実に、政治も行政も目をそむけてきたのではないか。「今」を見つめていたが「未来」に視点を合わせていなかったのではないか、と思う。
 既に、国内のいくつかの都市でコンパクトシティーの発想を取り入れた試みがスタートしているように、都市の公共的な施設を中心部に集約させ、効率化を図るコンパクトシティーの発想を岡山市でも取り入れるべきである。
 
 残念ながら、今の岡山市政は中心市街地をどのようにするかの目標・未来図を定めていない。目標がないところに「努力」はない。「結果」はない。
 目標が定まれば、努力が生まれ、結果が付いてくる。愛する岡山市の未来が変わる。
 岡山市は、手段としての改革を断行し、政治と行政と市民が一体となって前進することによって、明るい未来が開けるものと確信する。
 私たちは、提案するだけではなく、同時に行動を起こし、市民の1人としての役割を果たし、責任の一端を担いたい。

                2009年 春
                     岡山政経塾 チーム21