岡山市中環状線エリアの現状と活性化に向けた取り組み (2010年 春)
◆ 目 次 ◆
1.はじめに
2.活性化の定義
3.アンケートによる岡山の現状
4.後楽園を中心とする文化ゾーンの活性化
5.水を活かした周辺地域の活性化
6.岡山県総合グラウンドの活性化
7.岡山大学を活かした地域の活性化
8.交通整備からのまちづくり
9.おわりに
1.はじめに
私たちが住むこの岡山の未来は、どんな街になっていくのだろう。
岡山を愛する私たちは、「地域から日本を変える」「地域から日本を良くしていく」という岡山政経塾の理念に集い、政治や経済、教育、福祉、文化やまちづくりなど、様々な分野で地域社会に貢献するため、未来に夢と希望を抱くことのできる岡山を目指して、日々議論を重ねている。
岡山は、温暖な気候や豊富な水に恵まれ、この豊かな自然によって育まれた特産物や瀬戸内の海の幸があり、多くの先人の努力と犠牲によって培われた歴史と伝統に根ざした文化は、素晴らしい魅力がある。また、中四国における交通結節点であり、産業や観光など周辺都市との連携が図れる重要な拠点でもある。平成21年4月には、中核市から政令指定都市に移行し、さらなる発展が期待できる。岡山で暮らす私たちの日常は、他の地域がうらやむほどの晴らしい魅力や可能性がある。
しかし、この恵まれた魅力を生かし切れているだろうか。岡山市の財政は、いまだに7000億円近くの借金を抱え、岡山県に至っては財政危機宣言をしている。国政は2009年9月に民主党に政権が移行し、この大きな変化に国民の期待は大きい。しかし、国と地方が抱える財政赤字は1000兆円をはるかに超え危機的状況。経済は悪化し、倒産件数や解雇者の増加、人口減少・少子高齢化に伴う諸問題など、政治体制や経済構造が大きく揺らぐ中、将来への不安や閉塞感が広がっている。政治は、多様化し刻々と変化する現代社会のあらゆる問題点を解決するため、先頭に立ってリーダーシップを発揮しなければならない。また、私たち市民も自信と誇りを持ち、自主独立の気概を持って一歩を踏み出す必要がある。
私たち岡山政経塾チーム21のメンバーは、今回「岡山市中環状線エリア」に着目し、エリア内および周辺の街のあり方について、過去の栄光や成功にとらわれない自由な発想で岡山の街を創造し、未来に夢と希望を描くことのできる新しい岡山を、提言する。必要なことは、今ある岡山の資産「文化力」を発揮するため、新しい魅力と感性を、すべてのものに活かしていくことである。
提言するにあたり、岡山の住む方々にアンケートを行い、生活の中で感じている現状と問題点を把握し、解決策や活性化策を見出す。そして、時代に流されることなく、10年20年先、私たちが次世代に胸を張ってバトンタッチできる街を実現していかなければならない。
私たちチーム21は、岡山を日本全国また世界中に【自慢】できる街にしたい。
2010年 春
岡山政経塾 チーム21
2.活性化の定義
私たちは、今回中環状エリア内、および周辺地域の活性化について考察し提案していく。では、この「活性化」とは、何を持って活性化とするのか。ここで、活性化について定義をする。
活性化とは、その地域に、【ひと】・【モノ】・【金】が行き交う事とする。
考察するそれぞれの地域について、政治・行政ができる活性化、住民ができる活性化、それぞれの立場でできる可能性を引き出していく。
【ひと】・【モノ】・【金】について
それぞれの場所で、活性化の手段として行われる催し物つまり「イベント」がある。イベントは人を集客する事を目的とするが、その時だけ【人】が行き交うだけでは意味がない。
例えば、イベントを行い、来客者を増やそうと考える。イベント時には来客者数が一時的に増すが、イベント終了翌日からは、今まで通りだ。このようなケースは多々あるだろう。
イベントを行い来たお客に、イベントを楽しんでもらうと同時に、その場所の魅力を伝え、体感してもらい「またこの場所に来てみよう」と思ってもらえることが大切である。その場所に発信する魅力がなければ、イベントをする意義すらない。
魅力を発揮するためには、目標(売上・集客人数)を掲げ、その目標を達成するための努力・向上力が、結果的にその場所の魅力につながる。結果、魅力ある場所には、【ひと】・【モノ】・【金】が行きかうことになる。
近年は企業買収、リーマンショック、景気低迷などの社会情勢のなか、拝金主義により【金】が前面に出てしまい、【ひと】が取り残されているように感じる。地域活性化において、その地域に住んでいる【ひと】がいかに豊かに幸せを感じて生活できるか。政治・行政が地域活性化についての目標を掲げ、政治・行政とともに地域の【ひと】が活発な活動を行っていくことが重要である。
これからは【ひと】にシフトしていき、【ひと】【モノ】【金】の3者の良好なバランスを構築していくことが重要である。
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