『未来を見据える!驚きの丸亀町商店街』
萬成沙織 (岡山政経塾 15期生)
「こんなにもオシャレで栄えた商店街が香川にあるなんて!」ということでした。
そして人の多さ。若者からお孫さんを連れたおじいちゃんおばあちゃんまで、幅広い年代の方が来ているのが印象的でした。
商店街といえばお年寄りが多いイメージ。違いは何にあるのだろう…?
【モダンで洗練された美しい街並み】
昭和な雰囲気を残す商店街が多い中、丸亀町商店街はまち全体に統一感があり建物が協調し合って美しい街並みを構成している。
これらを可能にしたのが、再開発での1番の課題である土地問題を解決できたからだと思うと、『定期借地権』は本当にすごい。所有権と利用権を分離させるという柔軟な考え方には驚きでした。
【まちづくり】
7つの街区で構成される丸亀町商店街は、それぞれに役割を持たせ面としての全体をレイアウトすることで、商店街全体がひとつのショッピングモールのようでした。
業種が偏らず様々なお店があり、ここならゆっくりと時間を過ごしたいと思える魅力ある空間でした。「ほしいものがある商店街」とはこういうものかと実感しました。
【人が住み、人が集うまち】
商店街に住むなんて、考えたこともありませんでしたが、丸亀町商店街には街区の上部に居住スペースがあり、高齢化社会にも対応できるやさしく住みよい街に変わろうとしています。車に依存しない歩いて事足る街をつくり、買い物だけではなく暮らしの様々なシーンに対応できる機能を補い、居住者を取り戻す。お客様を取り戻すという考え方ではなく、生活者の目線に立ったまちづくりを行う。発想の転換が面白いと思いました。
【みんなの街を、みんなでつくる】
丸亀町商店街の再開発がなぜ成功したのか。
それは、地元を大切に思う人々の熱意と、未来を見据える力。地域に対して責任を負う覚悟があったからだと思います。
自分達の街を自らリスクを負い、運営していくという地元主導のまちづくり。
できない理由を並べるのはいくらでもできるからこそ、リスクを負わず地域に責任を負わされていない人達を経営に参加させない。
丸亀町商店街は、全盛期の平成元年頃から再開発事業の検討を開始している。このままでは衰退していくのが目に見えてわかっていたからだという。
これからの商店街のあり方を模索し、変化を恐れない丸亀町商店街の姿勢に学ぶべき点は多くある。
私が働く表町商店街のためにできることは何だろうか?
丸亀町商店街のように大規模な再開発をしなくても、ほしいものがある商店街にはきっとなれる。
専門店の強みを活かして魅力ある商品を並べることができれば、お客様は今よりも来て下さる。そのためにはやはり、個々の店舗の努力が必要であり、お客様のニーズを知る必要がある。
店頭に立っていると、お客様から「こんなお店はありませんか?」と聞かれることがある。魅力あるお店を知っていれば自信を持ってご案内できるけれど、それができないのはなぜか?私自身、表町のことを正直まだよく知らないというのもある。
地域のコミュニティーを大切にしてきた丸亀町商店街の人々のように、まずは私も商店街を知ることから始めたい。
夢を実現する丸亀町商店街は、未来を見据え地域の人々を想うやさしい商店街でした。