『高松丸亀商店街 視察レポート』
中西充 (岡山政経塾 15期生)
事前配布資料を先に目を通していたが、結果的にお話の内容が非常によく分かるものとなった。
何はともあれ、行政に頼ることなく民間の力で活性化を促すことの重要さが、よく分かる事例であった。
しかし、この成功事例をもとに他でもどのように成功へと導くのか、各々の地域による問題点はそれぞれ違うため、ひとつの事例がそく全体に有効的かというと決してそうではなく、その中から最大公約数的な物事を見出すことが重要ではないだろうか。
今回の視察でひとつの共通する問題は、不動産であると感じた。
活性化のためには、その地域の不動産をどのように運用して行くかが問題である。丸亀商店街の場合、実際にその土地の権利を持っている者が、そこにいる率は低く、全体の2割ぐらいであった。その他の人々は、住民票をそのままにし、他所へと移動した。
また土地所有権者の高齢化も進み、そういた活性化への意識が低いことも課題として挙げられる。
これは岡山表町商店街でも同様の現象が生じている。土地の所有者とその土地を有効利用したい人々の懸け橋となるネゴシエーターが必要不可欠であると感じられずにはいられなかった。
とくに土地利権に関しては、複雑な法律も手伝い、なかなか手出しにくい所である。貸す側、借りる側、双方にメリット・デメリットを明確にし、その先に未来への可能性を充分に時間かけ、理解を促していかなければならない。
その為のキーパーソンを如何に見出すか、人材の確保も重要かと思われる。
丸亀商店街の場合、理事長の強烈な指導のもと、成功へと導かれている。
単なる団体ではなく、指導者として全体を取り纏める人の、これはかなり重要ではないかと。
岡山の場合、たとえばサッカーファジアーノ 木村社長、元ゴールドマンサックスで活躍していたのは、皆がよく知るところだ。
サッカーに於ける運用実績は、ここ岡山に於いては目を見張るものはないだろうか。
もし岡山の商店街でも、活性化を促すのであれば、こうした人材登用は必要である、今回の視察を以て、そう感じられた。
丸亀商店街を実際に歩いてみたが、岡山商店街の2~3倍の広さを感じ、その巨大さにビックリし感心した。
三越がうまく商店街と融合しているところも感心し、双方の柔軟な対応が今日の成功のひとつであると思った。
倉敷の三越が撤退したこの差はなんだろうかと、考えさせられるものでもあった。
また丸亀商店街は、そのまま市民の憩いの場となっている。イベントも盛況に行われており、リフレッシュ・リラックスできる空間作りを見事に演出していると。
まだまだ再開発の手が届いていないところもあるが、それはそれで時代のタイムトラベル的なものを感じられ哀愁もあり、良かったと思っている。
昭和生れの人間には、この雰囲気はたまらないな的な。
最後に今回何よりも重要だと感じたのは、それは市民に愛される街づくりをすること。決して自己満足な活性化にしてはならないこと。市民が何を求めているのか、それを充分に認識した上で取り組まなければ、結局は一過性のものであり、その後の未来に繋がらないものであるということを、充分に理解しました。
余談ですが、丸亀でもうひとつ感心したのは、道路標識でした。岡山には無いタイプの標識があり、非常に分かりやすかったのを覚えています。