2016年 直島特別例会レポート(直島・豊島)

アートの持つ力について

和田 万里奈 (岡山政経塾 15期生)

■はじめに
これまでアートとは何か?という問いに対し、
自分の意志や感情を作品を通じて伝えたり訴えたりする手段。だと答えていたが、直島・豊島合宿に参加して
アートとは言葉の壁は関係しない。言葉がなくても感じ取れる。
幸せの連鎖をもたらしてくれるもの。と2日間、自分の目で見て、耳で聞き、体感し新たな答えを見つけることができた。

■言葉がなくても感じ取れる
地中美術館、家プロジェクト、豊島美術館を見学して現代アートの難しさと面白さを体感した。
作品を見ても答えが分からない。これは何をテーマにしているのだろう?何を伝えたいのだろう。作品を見ながら考えていた。
しかし途中で、これはすぐに答えを求めようとする私の悪い癖だと思い、答えは分からなくても自分が作品に対してどう感じるか考えてみた。
解説を読んで理解するのではなく、作品を見て感じたことを自分の言葉に置き換え、勝手に解釈をしてみると自分の感覚で楽しむことができた。
感じ方は人それぞれであり、作者は伝えたいことを作品に込めていると思うが
自分なりに答えを見つけて堪能する現代アートは面白いと感じた。

■人と人を結び付ける
笠原氏の講演を聞いて、更にアートの持つべき力を感じた。
直島にあるアート作品の中には現地の島民たちと一緒に作っている作品がある。作成に関わることによって島民は思い入れが強くなり島を訪れた観光客にアート作品について語る。
訪れた観光客はガイドブックに載っていない現地の声を聞けること、歓迎されることに喜び、笑顔が生まれる。
アートによって人と人を結び付け、島の活力を作っている。
これこそ幸せの連鎖ではないであろうか。

■忘れてはならない豊島問題
産廃現場に行き、豊島問題について知り衝撃を受けました。
国立公園だった土地に大量のゴミを投棄した事は嘘のようだが事実であり、それを許した政治に対して怒りが湧いてきます。
今年で産廃の処理は終わるそうですが、住民達の心に残る悲しみや歴史を消すことはできません。
この問題を知らない人が多いので、風化させないように政治の力で教科書載せ、同じ過ちを繰り返さないように知ってもらうことも大事だと思った。

■おわりに
新たな発見が沢山あった。刺激的な2日間を素敵な仲間達と過ごせたことに嬉しく思い感謝します。
年齢や職業もバラバラですが、この合宿を通して結束が深まり互いに成長できたのではないかと思います。
皆でディスカッションしたあの夜はとても濃く有意義な時間でした。
最後になりましたが、小山事務局長、西美様をはじめ多くの関係者の皆様にお礼申し上げます。