見る・聴く・体感する・考える力を身につける・発想の転換をする
~空と海と光と風と~
樋口 豊 (岡山政経塾 18期生)
1.はじめに
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【福武塾長の講話】
印象的な福武總一郎塾長のお言葉の1つに「幸せになるには?(どうしたら良いか)」とありました。これに対する塾長の答えは「幸せなコミュニティに住むこと」でした。そして、その「幸せなコミュニティ」とは、「人生の達人であるお年寄りの笑顔が溢れているところ」との説明でありました。
そして、もう1つのお言葉に「行政は民間でできたものを後押しするしかできない。」とありました。
私は、ハッと思いました。
私は、地元井原市の市役所に入り、自分の住む町を中からより良い町にしていきたいと思い10年以上がむしゃらに働いてきました。しかし、田舎市ならではの負担やしがらみ、心からやりたいことではないものを我慢や自制をしながら疲弊している自覚をもつ昨今では、果たして私自身が幸せになるための幸せなコミュニティに存在しているのか、そして今していることは本当に私がやりたいことで私にだからこそできることなのか(私でなくても良いのではないか)という自問に首をかしげざるを得ない状況にあることに、確実に気づかされたからです。
また、塾長は「地方(の中心市街地)が元気にならないと日本が元気にならない」と発言されました。まさにそのとおりだと思い、全て東京一極集中では日本は崩壊していくでしょうし、我々地方都市住民の存在価値が問われるところであり、腕の見せ所でもあるのだと認識しました。
2.直島豊島のアート作品
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宇野港から初めてフェリーに乗って訪れた直島豊島は、穏やかに揺れキラキラ輝く海自体が心癒されリフレッシュさせてくれるものであり、それ自体も私にとっては1つのアート作品にすら感じられました。私が4月第2例会で定義した「アート」とは、「人の感性に訴えかけ社会に影響を与えるもの」としました。
豊島美術家の壮大な石でできた作品は、心落ち着き、無になれる場所であり、半日でもずっと居られるような心地になりました。その他のアート作品も、綺麗・美しい・壮大・不思議等の感情は湧きましたが、私の感性が低い、または衰弱しているせいか心揺さぶられるような気付きや感動が生まれるまでには至りませんでした。
その時々の心身の状況(健全なのか疲弊しているのか)等にも起因するものかとも予想しましたが、正直「わからない」といった気持ちが大きかったように感じます。
小山事務局長が日頃言われているように、わかるまで何度も訪れてみないと感じられない境地なのかもしれないと考えました。
意外なところでは、豊島の「檸檬ホテル」は、QRコードを使った入館方法を取り、ヘッドホンで指示を出されるといった一歩進んだ工夫を凝らしているスポットでした。洒落も効いており、まさに「在るものを活かし、無いものを創る」を実現していたように思えました。
3.おわりに
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福武塾長、小山事務局長、各施設等ご案内いただきました6期生の西美様はじめ諸先輩ほか全関係者の方に対し、このような貴重な学びと気づきの機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。
「自然こそが人間にとって最高の教師」であることが認識できた合宿であり、その最後には同期の有志で「直島銭湯 I♡湯」で裸の付き合いをし、西美先輩に付き合ってもらい男4名でフレンチ講習を。さらに親睦が図れ、今後につながるであろう有意義な合宿となりました。
また、時期や場面を変えてでも繰り返し訪れたい、私にとって特別な癒し観光スポットになりました。重ねてではありますが、心から感謝申し上げます。